インド映画「RRR」が興行成績3億円を突破し、伝説のムトゥ踊るマハラジャに迫る勢いです。
本ブログではラージャマウリ作品は「バーフバリ」のあらすじを書きましたが、今回はRRRの主演であるラーム・チャランの過去作にも興味がある方もいるかと思い、「マガディーラ」を取り上げることにしました。
マガディーラは副題にもあるように、大昔の勇者の因縁が現代にも続いているという設定です。
ラーム・チャランはテルグ映画を代表するダンスの上手な俳優さんなので、ダンスも見どころ(あと乗馬)。
転生という設定も驚きですが、ラージャマウリ印(というかテルグ映画の特徴?)である超展開が楽しめます。
ここではAmazonプライムで無料で視聴できる、国際カット版(国際市場向けに短くカットされている)を書いていきます。
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ではネタバレ詳細書いていきます〜。
勇者と王女の死
鬱蒼とした森が覆う大地に隕石がおち、「MAGADHEERA」のタイトルが浮かび上がる。
劇中のセリフが次々と出現し、「1人…10人…」とカウントする声が聞こえる。
1609年、アーラヴァリ山脈にあるバイラヴァコーナは切り立った山々が雲海に聳え立つ場所だった。
絵の具と血に塗れた高貴な女性の手が差し出される。
その手の持ち主は王女ミトラヴィンダ(カージャル・アグルワール)。
ミトラヴィンダは勇者バイラヴァ(ラーム・チャラン)に「命が尽きる前に真心の愛を見せてほしい」と乞い願う。
「命が尽きる前に妻として死なせて欲しい」というミトラヴィンダの願いを聞き、バイラヴァはその鎧を剥ぎ取り近づく。
すでに力尽きていたミトラヴィンダは崖から落ち、バイラヴァはその遺体を追いかけて飛び降りる。
空中で2人は何度も近づくが、ついに手を握ることなく谷間に落ちて行ってしまった。
それを崖の上から見ていた敵将のシェール・カーン(シュリハリ)は、敵ながら2人の行く末に涙を流す。
シェール・カーンはバイラヴァの鎧を葬送のための薪に置き、バイラヴァの転生を願って火にくべた。
現代への転生
400年後。
女の心を溶かす、男の心を奪う勇猛な戦士(マガディーラ)と称える歌と「RAM CHARAN」のスターネームと共にハルシャ(ラーム・チャラン)がバイクに乗って登場する。
バイクレーサーのハルシャはレースの胴元レシュマ(ムマイト・カーン)の元を訪れ、賭けのオッズは5対1だと聞く。
ハルシャの親友スニール(スニール)はレシュマに嫁に来いとアプローチ。
「賭け」の内容は今日は6メートルだと聞くと、親友はハルシャに失敗するだけだと止める。
今まさに「賭け」は進行中で、バイクで傾斜のついた坂を駆け上がり、6メートルのポールを超えようとするものだった。
挑戦者はポールに激突し、失敗して墜落していく。
ハルシャは「10倍ならやってもいい」とレシュマに挑戦を突きつける。
スニールはレシュマに渋々賭け金を渡す。
ハルシャが挑戦すると知った観客は次々とベッドに駆けつけた。
ハルシャが発進したあと、レシュマはポールを上げるように指示を出す。
それにスニールが気付き、止めようとするもハルシャはすでにバイクと共に坂を発射したあとだった。
しかし、ハルシャは空中でバイクから手を離し、バイクはポールの下へ、ハルシャの体は軽々とポールを乗り越えたのだった。
賞賛する観客をよそに、レシュマは金を胸に潜ませ逃亡を図る。
レシュマが逃げるのに気付き慌てる親友だが、ハルシャは落ち着き払って親友に「航空券を買っておけ、俺は女をとっちめる」と指示。
ここでソングシーン Bangaru Kodipetta(金の雌鶏)
(歌の大意としては服の下に隠した金を返せ、嫌よ、というやりとり)
レシュマはある工場に逃げ込み、「ボスを差し置いて踊れとうるさい奴がいる」と男に訴える。
ボスはメガスター・チランジーヴィ(ラーム・チャランの実の父親)であった。
その姿を見てハルシャは「ナマステ、マスター(師匠)!」と愛想笑いを振り撒く。
ボスの方が踊りがすごいのだ、とレシュマが主張し、仕方なく踊ることにしたチランジーヴィ。
(ここで往年の映画で使われた映像が合成され息子と共演するというサービスシーン)
ボスが対決に勝ったかと思われたが、ハルシャがさらにダンスを繰り出し、着地した風圧の勢いでレシュマの胸にしまっていた金が飛び出す。
金をまんまとせしめたハルシャにボスは「さすが息子だ」とほくそ笑む。
雨のハイデラバード。
バンコクのオートレースに出るため、リキシャに乗って空港に向かっているハルシャとスニールだが、ハルシャは飛行機に遅れそうなのになぜタクシーじゃないんだ、と苛立っている。
そこにリキシャ待ちをして手を差し出しているインドゥ(カジャール・アグルワール)を見かける2人。
相乗りしてリキシャ代を節約しようというスニールだが、先を急ぐハルシャは怒鳴る。
手信号をするために手を出したハルシャは、インドゥの指に触れるが、その時指から電流が走り、前世の記憶が蘇る。
思わずリキシャから飛び降りようとしたハルシャをスニールが引き止めるが、リキシャを止めるとハルシャは白い服を着ていた彼女が運命の人だと感じ、探しに飛び出していく。
スニールもあとを追おうとするが、料金を払えと運転手に止められてしまう。
車が走行する道を逆流してインドゥの元に走るハルシャ。
その時インドゥは白い服の上に黒いパーカーを羽織ってしまっていた。
バス停やバスの中に白い服の女性がいないか探すハルシャだが見つからない。
一方、その様子を見ていたインドゥはさっきリキシャに乗せてくれなかった人だと気付き、嫌な顔をする。
インドゥはハルシャに誰か探しているのかと尋ね、それが自分だと気づくが、知人のふりをした。
「その子の住所を教えてよ」と慌てて聞くハルシャに不審を覚え、まずは用件を言え、と注意したものの、ハルシャは「深い関係で」と言うので、驚くインドゥ。
訳を話すと長くなるから、と渋るハルシャだが、観念して脚色し理由を話し出す。
- 彼女と自分は1年前恋人同士だった
- しかし父親が極悪人で別れさせられた
- 彼女は姿を消してしまった
- 父親は彼女の名前も変えてしまったんだな
と話すので、あまりにも出鱈目な内容にインドゥは怒りを覚える。
そうやって名前を無理やり聞き出そうとしてるんだ、と思ったインドゥだったが、わざと「インドゥよ」と答えた。
住所を案内するからオートリキシャを呼んでこい、と言うインドゥの言葉にハルシャはすぐに駆けていく。
初めて自分の美貌には目もくれない男を見たインドゥは珍しい男だ、と思い、遊んでやろうと計画を練る。
インドゥに弄ばれるハルシャ
レストランでインドゥを待つハルシャとスニール。
ハルシャは前世で因縁のある彼女と会いたくてたまらず、うずうずしている。
そこに大勢の友人を連れてくるインドゥ。
手を差し伸べながら近づくが、ハルシャは手に電流が流れるほどの運命の人に早く会いたいので、もう出会ったインドゥではなく友人たちと次々と握手をしていく。
しかしどの子ともビビッとこない。
インドゥに聞くと「インドゥは遅れる」というので、「チェッ!」と言うハルシャにインドゥは「私たちに用はないってわけ!」激怒し帰ろうとしてしまう。
それをハルシャは慌てて引き止め、彼女たちをご馳走でもてなす。
インドゥを知ってるなんて嘘ついて、たかりじゃないのか、と言うスニールとインドゥが言い争うが、運命の人に会いたいハルシャはうるさいスニールをTシャツに描かれている銃で撃ち黙らせた。
運命の人が来ないので、夕暮れになってもレストランで待ち続けるハルシャ。
インドゥは「明日映画館でインドゥに会わせてあげる(からもう帰ったら)」というが、ハルシャは、彼女が来た時に誰もいなかったら可哀想だから、もう少し待ってるよ、とインドゥを帰らせる。
その寂しそうな笑顔にインドゥも悪いことをした気分になってしまう。
敵の登場
ウダイガル王国。
ターバンを巻いた男が「プリヤランジャン弁護士が法廷に立てば私たちの城も財産も失われてしまう」と焦燥感を露わにしている。
その時召使(Chandra Sekhar)が男を呼びにくる。
庭では息子のラグヴィール(デヴ・ギル)が、弁護士のプリヤランジャンを足元に跪かせていた。
プリヤランジャンはラグヴィールの父親が被告だと知らずに、弁護を引き受けてしまっただけだと命乞いしている。
「失せろ」と告げるラグヴィールだが、走り去ろうとするプリヤランジャンを投げ槍で刺し殺してしまう。
「欲しいと思うものは是が非でも手に入れる」と言うラグヴィールは、もう二度と訴えられないように原告を殺す、と父親に宣言する。
道端で遊ぶ子供達を温かい目で見守るプラタープ・ヴァルマ(スーリヤ)。
そこにラグヴィールとその父親を乗せた車の行列が到着する。
父親が、「プラタープ・ヴァルマはお前の母の弟」なのだと明かす。
その時、出かけるために家から出てきたインドゥの姿もあった。
父親はラグヴィールにプラタープ・ヴァルマの娘も始末しろ、と提案する。
ラグヴィールはインドゥの美貌と体に執着心を覚え、手に入れて妻にすることを決意する。
父親が原告の娘なのに、ありえないと笑うと、ラグヴィールは父の胸にナイフを突き立て殺してしまう。
ラグヴィールはプラタープ・ヴァルマを訪ねる。
本来はプラタープが当主なのだから、自分の父親が死んだ今、「城や財産はあなたのものだ、今後は一緒に暮らしましょう」と涙に暮れて言う。
プラタープはその言葉を信じ、和解を提案する。
インドゥは友人と一緒にハルシャに映画のチケットを買わせて待ち合わせ場所に向かっていた。
その時、劇場前で女性にセクハラをする複数人の男に絡まれてしまい、2人は這々の体で逃れる。
ハルシャはまたインドゥが「インドゥ」を連れてこなかったので文句を言うが、インドゥが男達にセクハラされたと泣きながら訴える。
「ガキの言うことなんて気にするな、それよりインドゥはどこにいる?」とハルシャが軽くあしらうので、インドゥは激怒し、「男達のせいでインドゥは帰った」と告げる。
ハルシャはそこで初めて男達に怒りを覚え、1人で男達を暴行する。
その姿を見たインドゥはハルシャに魅力を感じ、「好き あなたが好き」と歌が流れてくる。
女友達は「好きなら正体を明かせばいいじゃない」というが、まだその時ではないと言う。
もう嫌な奴らはいないから、インドゥを呼んでくれと頼むハルシャに、インドゥは「インドゥ」は公園に来る、と話す。
2人で歩いて公園に向かっていると、手が触れそうなくらい距離が近くなる。
ハルシャは慌てて、彼女が勘違いしないように距離をとって歩こう、と頼む。
インドゥは了承するが、仕事や収入のことを根掘り葉掘り聞き始め、ハルシャはまるで身辺調査みたいだ、とウンザリ。
前にも恋人がいたことがあるのか、とインドゥが聞くので、ハルシャはそういうことは聞かれたくないとはぐらかす。
インドゥが自分のことはどう思うのか、と聞くと、「世話焼き…じゃなくて縁結びのキューピッドだよ」とご機嫌とり。
「そういえば、インドゥに伝えたのは隣の公園だったかも〜」とインドゥが嘘をつき、ハルシャは本気にして隣の公園へと走り去っていった。
インドゥが満足して自宅に帰宅すると、そこにはラグヴィールが待っていた。
ラグヴィール、プラタープ、インドゥの3人はハイデラバードにある今ではプラタープのものになった別荘を訪ねる。
喜ぶ父を目にして、インドゥは涙を浮かべてラグヴィールに礼を言う。
故郷には明日出発しよう、とラグヴィールは提案するが、インドゥは大切な試験があるから、来週にしよう、と反対した。
前世の因縁が明らかになる
その夜、ラグヴィールは寝ているインドゥの寝室に入り、体に触れようとする。
しかし、バイラヴァの幻影が現れ、ラグヴィールの首に剣を振り下ろしたため、ラグヴィールの体は吹っ飛んでしまう。
首にも流血のあとが見えるが、幻影が消えると血も共に消えた。
切り立った山の中腹にある大きな洞窟にヘリが向かっている。
インドゥに触れられず、首を斬られた生々しい感触にイラつき、幻影の勇者を殺してやりたい、とラグヴィールが魔術師ゴーラ(ラオ・ラメシュ)に訴えている。
ゴーラは炎の中に前世の記憶を読み取っていく。
ゴーラによると、
400年前に満たされなかった愛欲が今にも続いている。
かつてここはウダイガル王国で、ラグヴィールは将軍であった。
という。
そんなことありえない、と信じない召使を叱りつけ、ゴーラはミトラヴィンダ姫の肖像をラグヴィールに見せると、そこにはインドゥそっくりの人物が描かれていた。
娘に乱心した将軍がラナデーヴで、ラグヴィールの前世であったため、インドゥにあってその記憶が蘇ったのだ。
もう1人、喪失の記憶を抱え、現代に甦った男がいるが、そいつがいる限りは女に触れることはできない、とゴーラは告げる。
ラグヴィールが本をめくるが、もう1人の男の肖像は確認できないくらい破損していた。
これでは男を探しようがない、とラグヴィールは困惑するものの、ゴーラは巡り会った時自然が教えてくれる、と以下のことを予言した。
- 両者が対峙する時は鳥が一斉に飛び立つ
- 燃える太陽は黒く陰る
- 男は人間ではなくほとばしる火山だ
- 男の名はバイラヴァ
カフェでスニールと席に座るハルシャ。
スニールが騎馬隊を見て、馬に乗ったら女にモテるんじゃないかと話すと、ハルシャは馬に乗ったことないし乗るならバイクか車だ、と反論する。
その時、車に乗った男達がインドゥと接触したハルシャを探し、カフェの近くに車を停めた。
部下が何人もハルシャという名前の男を探すために歩き回る。
カフェに入ったラグヴィールにハルシャが席に座れよと声をかける。
名前はなんだ、とラグヴィールがハルシャに聞くと、ハルシャは「チランジーヴィ」と嘘をつく。
ハルシャはラグヴィールがターバンに派手な首飾りをしているので、「役者なのか?」とバカにした口調で聞く。
怒りでチャイのカップを握りしめるラグヴィール。
ハルシャがラグヴィールをバカにし続けていると、通りにいた鳩が次々と飛びだっていった。
ラグヴィールは金属のカップを握りつぶしてハルシャに襲い掛かろうとしたところ、召使がラグヴィールにインドゥの通話記録を持ってきた。
直近の通話記録にある番号に携帯で電話をかけると、ちょうどハルシャの携帯に電話がかかってくる。
ラグヴィールの携帯には「通話中です」と音声が流れてきて、ハルシャは電話をし続けている。
ハルシャは「彼女と会える」とウキウキしてその場を離れた。
ラグヴィールがまた電話をかけ直すと、テーブルの上にあったハルシャの携帯が鳴る。
召使がハルシャの携帯を見ると、ラグヴィールの番号が映し出されているので、驚く2人。
しかしゴーラの話していた勇猛な戦士の印象とあまりに違うので、召使は別人では?と疑う。
ラグヴィールは誰であろうとインドゥに近付くものは消す、と宣言し、修理中で置かれていた鉄門の柵に手をかけ、一本むしり取った。
ラグヴィールの投げた槍は建設作業中の木材を運んでいた紐を切り裂き、電信柱の変電盤に突き刺さる。
電流による火花が散り、木材がビルから落下してくるので、あたりは逃げようとする人が走ったり、騎馬隊の馬が暴れたりして騒然となってしまう。
ハルシャとスニールも慌てて逃げ出したため、ラグヴィールは2人を見失った。
騒然とする一帯に駐車しているバスにハルシャはぶつかるが、その窓際に白いストールを巻いたインドゥが座って、女友達とイヤホンをシェアし音楽を聴いていた。
馬が迫ってくるため焦ったハルシャは、バスの窓の柵に飛び移り難を逃れる。
その時リズムを取っていたインドゥの指がハルシャの手に触れ、また電流が流れる。
ハルシャの脳内に前世の記憶でミトラヴィンダと谷底を落ちていく記憶が流れ込んでくる。
バスは発車していたが、窓からはストールがはためいていくのが見えた。
また騎馬隊の馬がこちらに向かってきたので、ハルシャは自分がその昔馬を乗りこなしていたことを思い出す。
馬と同じ方向に向かって走り出し、車を台にして駆け上がり、ハルシャは馬に飛び乗る。
バスを追いかけていくが、インドゥのストールが風に攫われ、舞い上がっていきハルシャの顔にまとわりつく。
ストールを持って(顔に巻いて)追いかけてくる男にインドゥが身を乗り出して呼びかけたため、友人が「インドゥ危ない!」と叫ぶ。
その声がハルシャの耳に届き、彼女こそが運命の人だったのかと気づく。
ストールを返してほしいインドゥをよそに、ハルシャはわざと顔にストールを巻き付け、投げキスをする。
インドゥが「殺してやる!」というとハルシャは「殺せ!」と喜び叫び走り去った。
運命の人を見つけた
ファッション工科大学にインドゥは試験を受けにきていた。
怒って「ハルシャがいたらあの馬の男を殺してもらう」と友人に言うインドゥ。
ハルシャも会場に駆けつけ、入ろうとするが警備員に入れるのは受験者だけだと止められてしまう。
インドゥは嬉しそうに「試験があるから外で待ってて」と焦らすが、ハルシャは「待つほどの用事じゃない。インドゥを見つけた」と言う。
驚いたインドゥと友人はバレてるのか?と心配するが、ハルシャは「君のおかげで再会できた。君もいい男を見つけろよ」と去っていった。
ハルシャを追いかけようとするが、受験者の再入校はできないので、教室の中からハルシャに呼びかけるインドゥ。
ハルシャはわざと「インドゥ」と携帯で通話しているふりをし、インドゥはカーテンの向こうに隠れて会話の内容に聞き耳を立てる。
昨日したことは気にしなくていい、結婚するんだから、と隠れているインドゥに向かって話すハルシャ、愕然とするインドゥ。
「どこにいる?ゴールコンダ城か」そこにすぐ行く、と言い残し、ハルシャは去っていった。
教室の柵を外し外に出て追いかけるインドゥを友人は「一年生の一大事なのに!」と止めるが、インドゥは人生の一大事だ!と言って追いかける。
ゴールコンダ城
スニールにカツラを被せ、緑のスカーフを巻かせて、ハルシャはイチャイチャする演技をしている。
そこにインドゥがやってきて「不潔!」とやめさせようとする。
ハルシャはインドゥとの愛を邪魔するな、となおもイチャイチャ。
インドゥは怒り狂い、インドゥが黒豚みたいに肥えてるわけないと叫ぶと、スニールはお邪魔虫を追い払って!と言うので、インドゥは黒豚のくせに生意気だ!とスニールにつかみかかる。
カツラとストールが取れ、2人が笑っているので揶揄われていたことに気づくインドゥ。
ハルシャが胸からスカーフを取り出し、インドゥに差し伸べると、あの馬に乗っていた男がハルシャだったのか、私をインドゥと知っていたのか、と気付き恥ずかしげに微笑むインドゥ。
インドゥはハルシャからスカーフを奪い取り、怒って踵を返してしまう。
スニールとハルシャは顔を見合わせて笑い、ハルシャは彼女を追いかけた。
ここでソングシーンpanchadara bomma(砂糖菓子の人形)
(君のために生まれてきた、君なしではこの転生が無意味になる、と訴えかける)
ストールを引っ張り合う2人。
手繰り寄せ、インドゥの指に触れたハルシャはまた前世の記憶が蘇っていった。
そこにプラタープが仕事相手を連れて訪れており、2人を見かけてしまう。
娘に手を出そうとしている男をプラタープは平手打ちする。
「お父さん!」というインドゥの声に、前世の記憶に影響されていたハルシャは別の人物を思い浮かべ、怒りに満ちていく。
プラタープに飛びかかって「無理やり引き離せばあんたを殺す」と脅すハルシャ。
スニールがハルシャを、周囲の人がプラタープとインドゥを引き離し、ハルシャにはインドゥのストールだけが残される。
インドゥはプラタープに、彼を心から愛している、あの暴言は彼の本心ではないと訴える。
それを側の部屋で聴いていたラグヴィール。
ハルシャがバイクで家を訪れるのを、ラグヴィールは家の屋上から見て慌てる。
ハルシャはプラタープに謝罪を申し入れる。
プラタープは娘の初めての願い事を聞き入れなければ、親ではない、とハルシャを許すことにした。
ラグヴィールは婚姻を喜ぶふりをして、ハルシャの手からインドゥのストールを奪う。
ラグヴィールはプラタープの背後に回り、油断したところを首にストールを巻き付け、締め殺そうとする。
ハルシャは止めようとするが、召使達に頭を殴れられてしまう。
ラグヴィールは意識を失ったプラタープをハルシャに投げ捨て、ハルシャはプラタープを蘇生しようとする。
召使が「あの男がお父上を殺した!」と叫ぶと、インドゥが階上からハルシャが父親の首に手をかけているのを見る。
ハルシャは召使達から羽交い締めにされ、インドゥは「責められたから殺したの?」とハルシャを責めたので、始めて自分の置かれている状況に気づく。
インドゥから引き離し、プラタープとインドゥをヘリコプターにのせ、病院に連れて行こうとするラグヴィール。
ヘリコプターが起動し、風が舞い起こる。
ラグヴィールはハルシャからストールを奪い、顔に擦り付け「インドゥはいただく」と宣言する。
ハルシャは給油車のホースを踏みつけ砕くと、足を擦り付けて火花を散らせる。
そこでガソリンに引火し、あたりは火の海になってしまう。
ラグヴィールはハルシャを打ちのめそうと向かっていくが、ストールを手に巻きつけたハルシャに返り討ちにされてしまう。
ガソリンはさらに給油車のタンクに引火し、大爆発を引き起こす。
ハルシャはタンクの蓋を盾に、火から身を防ぐ。
吹っ飛んだラグヴィールの頭にはゴーラの「2人が対峙する時自然が教えてくれる」という言葉が鳴り響いていた。
あたりの鳥が飛び立ち、太陽は業火による煙で黒く陰っている。
火山のような燃え盛る火からハルシャが出現した。
召使達がラグヴィールをヘリコプターに乗せ、離陸し始めた。
ハルシャは次々と襲いかかる召使を倒していき、ヘリコプターにしがみつき、インドゥの誤解を解こうとするが、もうヘリコプターは捕まえられないくらい上空に浮かんでしまった。
ハルシャは何かを思いつき、走っていく。
邸宅の屋上に到達し、そしてヘリの足にしがみついた。
飛行中のヘリの中にまでハルシャが手を伸ばし、「殺したのは俺じゃない」と縋り付くが、インドゥは「構わないで!」と手を振り払う。
その時、ハルシャの手にインドゥの手が触れ、再びハルシャの手に電流が走った。
今度は精細に、ウダイガル国の国王陛下ヴィクラム・シンを称える声が聞こえてくる。
ハルシャは呆然として、ヘリから手を離し、はるか下の地上へと落ちていく。
ハルシャの頭の中には、
「この勝負の審判は次期ウダイガル王国の女王ミトラヴィンダ・デヴィ姫である
最初の挑戦者は国王陛下の甥ウダイガル王国の大将軍ラナデーヴ・ビッラ
対する挑戦者は国の敵を倒し尽くした英雄万能無敵の勇者、カーラ・バイラヴァ!」
と言葉が鳴り響き、競技場が歓声に包まれる光景が広がっていた。
だがカーラ・バイラヴァが出てこないので、何度もその名前が呼ばれた。
ハルシャは地上を落ち続け、山中の緑色をした池に沈み込んでしまう。
目を開いたままハルシャは水面を見つめる。
400年前のウダイガル王国
1時間6分経過
その水面がウダイガル王国の夜空になり、彗星が落ちてくる様子が見える。
導師が国王ヴィクラム・シン(サラット・バーブ)に、彗星が一つ落下すると、その後王国に大きな厄災が訪れると星占いで出ている、と警告している。
ヴィクラム・シンは何か防ぐ手立てはないのか、と慌てて尋ねるが、誰にもそれは分からない、と返される。
大臣がウダイガル国境にシェール・カーン率いる10万の軍勢がやってきているという報告を伝え、それが厄災の予兆では、と考える国王。
シェール・カーン(シュリハリ)とは全インドの制服を目論む侵略者で、圧政により次々と属国を広げていた。
次は私達か、と恐れる国王。
シェール・カーンは国境近くまで迫り、望遠鏡でウダイガル王国を見つめ、なんと美しい国か、と感嘆する。
征服を目論み、シェール・カーンは配下のウスマーンに一週間で砦に旗を立てろ(一週間で侵略を完了させろ)と命じる。
一日あれば十分だ、と言うウスマーンに、別の配下マン・シンがウダイガル王国の指揮官はかの有名なカーラ・バイラヴァなのだから、その目論見は甘いと警告。
シェール・カーンはシヴァの異名を持とうとも(バイラヴァはシヴァ神の異名)所詮は人間なのだから恐れるに足らん、と言う。
配下は
「しかしそれでも斬る者が必要である。
あの一族は30まで生きたものはおらず、死は彼らにとって戯れも同じ。
100人を斬るまで絶命しないとの伝説がある」
とシェール・カーンに忠告する。
シェール・カーンは激怒し、自分がバイラヴァの命を奪い、歴史を塗り替える、と宣言する。
バイラヴァの剣舞が映し出される。
城内にある軍の演習場にミトラヴィンダが現れ、バイラヴァが配下と話し合いをしているのを認めると、弓をもち放つ。
女が頭に乗せて運んでいたミルク入りの壺に弓が当たり、バイラヴァと話をしていた配下はミルクを頭から被ってしまう。
なおもミトラはバイラヴァに狙いをつけ、弓を引き絞るが、いつの間にか背後を取られ、ナイフを首に当てられてしまう。
背後の気配を察知する能力が王女には必要だ、とバイラヴァはアドバイスするが、ミトラはお前が私に教えなさい、と誘った。
ミトラのもつ弓を一緒に掴み、弓矢を一緒に射れば、矢は城壁の壁面にある印のど真ん中に刺さった。
民衆も一緒になって命中に喜んでいたが、投げられた槍がその的を射抜いて破壊してしまう。
槍を投げたのはラナデーヴ・ビッラ(デヴ・ギル)で、バイラヴァと対峙する。
女の足元を犬のようにうろつくのがお前の仕事、教育係には100年早い、とラナデーヴは挑発する。
先祖の武勇を自慢するような男ではなく、自分がミトラの教育係には最適だ、とラナデーヴは嘲笑するので、バイラヴァも睨みつける。
その時国王ヴィクラム・シンが3人の元に現れ、シェール・カーンの襲撃を予告する。
国王はバイラヴァに信頼を寄せ、対処を頼み、バイラヴァもそれを恭しく承る。
ミトラも私も一緒に戦う、と宣言すると、国王は喜ぶ。
それを憎々しげに見るラナデーヴ。
その後の展開
ここで、一旦時間切れになったので、またの機会に続きを書きますね!
簡単に言うと、ミトラの愛をかけた馬でのレースが行われ、ラナデーヴが負けます。
それに怒ったラナデーヴがウダイガル王国を裏切り、攻めてきたシェール・カーンを手助けをします。
しかし、そこでシェール・カーンは逆に100人斬りに挑んだバイラヴァの勇気に感嘆します。
そこで冒頭にもあったシェール・カーンの願いが叶えられ、現代のシェール・カーンの生まれ変わりであるソロモンがハルシャを助けます。
生き返ったバイラヴァは、インドゥを取り戻すために現代でラグヴィールと対決し、ソロモンの助けもあり見事勝利を収めるのでした。
完全版のブルーレイが販売されていますが、いくつかギャグシーンとソングシーンがカットされています。
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